日本で大人気のクリスピークリーム。いい加減日本人もあきたでしょー?と思っていたのに、年末はまだ大行列だったというのでちょっと驚いたところ。
そのクリスピークリームが一時はウォールストリートの寵児としてもてはやされたものの、粉飾決算の露見で業績大幅に修正後、2004年以降ずっとリストラクチャリングをしているという話を日本の人にすると新鮮がられます。(くわしくはこちらの記事でも)。日本では、リヴァンプとロッテがジョイントベンチャーでやってるんですよね。行列を作ってマスコミ報道を広告として使ってしまうというやり方は元祖アメリカのクリスピークリームと一緒だったりしますが、アメリカではフランチャイズ店を作りすぎて今一生懸命リストラしているところ、日本のクリスピークリームは新規出店にとても慎重な様子です。
さて、その本家クリスピークリームですが、2004年以降リストラクチャリング専門家をずっとCEOとしておいてきたわけですが、業績回復がままならないまま今に至ります。で、今年に入って、James H. Morgan 氏を新CEOに指名。Morgan氏がそもそもバックグラウンドとしてファンド出身者であること、過去にCEOを勤めた会社を売却してきた履歴から、「クリスピークリームがファンドに売られる可能性は高いのではないか」というのがマーケットの見方らしい。
クリスピークリームがの業績が回復しない理由はアメリカのダイエットブームだとかなんだとか言われてるんですが、そもそもビジネスモデルが通用しなくなっている、というのが根底にあって、ここはもう非公開化して大鉈をふるうべきときなのかもしれません。もともと、クリスピークリームが高い利益を得ていたのは、フランチャイズ店に高値でドーナツ製作機材をうりつけていたからだ、という話がありまして、競合のダンキンドーナツが機材をフランチャイズに売りつけないところと大きく違う、という記事を以前読みました。製作機材を高値で販売したときには本体の利益は高くなりますが、フランチャイズ店がその先高い償却負担を負うため、結果的にいつまでも業績が上がらないということになります。これって、連結はされないけれども濃い関係をもつフランチャイズ店との関係を利用した、合法的な「飛ばし」というか「利益先取り」だったともいえる手法。当時そこまで読めていたアナリストはいなかったのだと思いますが、会計士的視点とはまた違った目で、会社のビジネスを理解することの重要さ、を感じさせられた一件でありました。
クリスピークリーム、滅多に食べないんですが、アメリカにきて間もないころ、仕事帰りにどうしてもおなかがすいてしまってよったカフェで気まぐれに買って食べたらとてもおいしく感じてしまって、「私の味覚は渡米3ヶ月でアメリカナイズされてしまったのか」と衝撃をうけ、家に帰ってその「おいしく感じてしまったドーナツ屋さん」の情報を探してみた、という経験があり、それ以降気になる会社のひとつであります。さてさて、どうなることでしょう???
最近のコメント