私が肌が荒れるの、食べ物がまずいの、ぶーぶーいいながら海外をふらふらしている間に、日本は季節が変わっていて、帰ってきたらすっかり春です。結局、トレンチコートを着ることなく、スーツの下が長袖だと汗ばむような陽気。
ストラクチャーをぐじゃぐじゃと書いたり消したり、おえかきをしていたうららかな午後。私が数年間西海岸にいた間に日本では会計基準も税法も大々的な改正があちこちで進んで、2001年くらいに買って実家にもってた企業再編の本とか、序章をのぞいたら全頁書き直しか?という使えなさ度合いで、骨董品状態。むしろ笑えてしまいます。まあ、そういう仕事なので仕方ないのですが、いなかった期間のことはこそこそアップデートするしかありません。会計については、世界が同じ方向に向かいつつあるため、ここ数年間のアメリカとは大した違いがないのがまだ救いですが。
税務を含めた事業再編ストラクチャー、とかは会計士としての私の専門分野ではないので、最終的にはそのあたりを生業にされてるスペシャリスト会計士さんに聞くわけですが、それにしてもそれ以前にある程度の絵はほしくって、「この会計処理ってもうありえないのか。。。?」「こういう絵にすると税務ってどうなるんだ・・・?」とかいう不安と一緒に検索するといきついたのはamazonのページ。そうだ、この際だからこの分野の本を何冊か買うかなあ、と、ほしい2-3冊の本をオーダーしようとすると「発送予定 5月中旬」 。
あらら。それじゃちょっと遅い。在庫が少ない専門書を買うにあたって、アマゾンはたまにこういうことがあるんですよね。しかも、やっぱり、専門書をページ開かないで買うのは勇気がいります。そもそも高いし、思っていたのと違った。。。というのがよくあるし。特定の分野だと、書いてらっしゃる方の名前で、この人がかいてるなら、という指名買いはできるのですが、ここ数年日本での実務から遠くなっていたこともあり、そういうところも微妙。
で、ふと思いついて「
丸沼書店」を検索して電話してみたところ、2分保留後「2冊ともありますよー、今日だと今週中には届きますが、御配送しましょうか?」と。気持よく晴れた日のことでもあり、オフィスから抜け出して本を受け取ることにして、地下鉄で水道橋を目指す。
この丸沼書店、知る人ぞ知る。。。なのかもしれませんが、水道橋駅前にある会計・税務・法務の専門書店。私の知る限り、ここよりこの手の本がそろっているところは大型書店でもないです(Oazoの丸善も品ぞろえはかなりいいけど、それ以上かも)。
大型書店の会計・税務・法務コーナーを全部集めた、よりも多いくらいの本が、狭い店内に所狭しとつまれてます。店員さんも知識が豊富で的確で、「この本は、もうすぐ新しい版が出る(頻繁に制度が変わる会計・税務・法務本は、最新版でなければ何の意味もない)ので、2週間くらいお待ちになったらどうですか?」とか、何者なんだろう???と思うくらい詳しい。
ここ数年間立ち寄っていなかったんですが、たたずまいも全く変わらず。入口に一冊100円の古本コーナー、U字型 - 通りに面した出入り口は2か所あるのですが、通り側一杯一杯まで本棚を並べた作りで、どちらかの入口から入ったら、キャッシャーの奥をぐるーっと経由しないと、全部が見れないという不便な構造。本をいっぱいおける方が大事なんだろうけど、通りから一番入りやすい「書店の玄関」にあたる、ふつう新刊本とか売れ筋の本をおく場所が存在しないわけなんだから、商売っ気ないのもはなはだしい。
ちなみに、ここで買う隠れたベネフィットとして、店頭で買うと10%引きというのがあります。どういう仕組みでそういう割引が可能なのか昔から謎なのだけど、そもそもこの手の本はすべてハードカバーで数千円とかするわけなのでありがたいです。
そういえば三次試験受験中に改正がおこなわれた「会社分割」「株式移転・交換」とか、口頭試問の前日にここで本買って、隣のサンマルクカフェで付け焼刃な勉強をしたなあ。。。と懐かしみ、私っていつも「おしりに火がつかないとしない」勉強ばっかり、と反省。とっておいていただた2冊の本を引き取り、中身を確認して使えそうなので購入を決め、ほかに数冊の専門書を立ち読みし、あれもこれも、、、と思うも、「まあ、ここにいつでも買いに来れるのだから」と思い直し、無駄遣いはせず。笑
外に出ると、向かいにあった別のチェーン系書店は紳士服店にとってかわられていただけに、丸沼書店の変わらないたたずまいにはちょっとほっとしました。小さな書店でもやっぱりこれだけエッジが立っていると淘汰されないのか、10%引きと一緒に私の中の小さな謎なんですが、東京でここは変わらないでいてほしいなあ、と思う場所の一つです。
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