今日という今日は職場のチームも選挙動向にくぎづけ。西海岸時間の午後3時くらいから、南部や東部の州で開票が始まるので、皆インターネットに釘付けで仕事にならない(苦笑)。しかも、最初はケンタッキー州とかから速報がながれ、また、そういう州ではマケインが勝つんですよ。
アメリカ一リベラルな大学であるCal(UC Berkeley)出身者が大多数のわたしのチーム、もちろん全員がオバマ派(参政権がないのはマネジャーのわたしだけ、というのも、アメリカらしい話ですが)。最初のいくつかの州でのマケイン優勢をみて「朝寝坊しちゃって選挙に行かなかった・・・」というアソシエイトがそわそわしだし、「やっぱり、投票に行こうと思うので、4時半に帰っちゃ駄目かしら。。。」と言い出したのを潮に、「よし、今日は4時半で帰ってよし、家で投票を見るもより、飲みにいくもよし(投票日はバーに集まって大騒ぎするという、ちょっと日本では考えられないことが普通なので)」とお触れを出して、スタッフを上がらせました。
わたしはその後も残って仕事をしていたのですが、クライアントのカフェテリアのテレビではやはり開票速報が流れていて、大きな歓声が聞こえたと思った午後8時。クライアントのコントローラーが顔を出して「オバマかったよ!」と興奮気味に。今回ほぼ結果は織り込み済みだったとはいえ、なかなかのエキサイトメントだったようでした。
深夜自宅に帰ってきてからも、たまに外で歓声が聞こえたり、滞米中二回目の選挙、前回のブッシュ再選のときの冷ややかな空気を思うと、今回は雲泥の差があるサンフランシスコです。
それにしても「初めての黒人」大統領に寄せる期待の大きさはすごいものがあります。政治的手腕に関しては未知数なオバマ氏ですが、これだけ経済的には難局にあるアメリカ、経験があるとか頭がいいとかより、「希望を与える」という彼の役割は大事なのかもしれません。
ここ数ヶ月、「アメリカ的資本主義の瓦解」などとさんざんメディアで言われていたわけですが、わたしはそういう論調にはちょっと賛成しかねていました。むろん、金融界で大きなパラダイムシフトが起きたのは間違いないですが、だから米国が落ち目、というのには、わたしが見ている米国はやはり力強すぎるのです。米国がスーパーパワーとして君臨するパクス・アメリカーナみたいな状況がつづく、といいたいわけではありませんが、この国の、「ダイバーシティーを包容する力」の大きさ「変化を求める国民性」の力強さに、今回はちょっと感じ入りました。
あと、特に共和党がペイリンを担ぎ出してからのワイドショー的大さわぎには「どうせ参政権ないしな。。。」とちょっとシニカルだったわたしですが、「これだけ日本の政治が盛り上がることは決してないよなあ」と思うと、政治に対する「真剣味の違い」は、やはり外交でも如実に現れているのではないか、と暗澹とした気持ちにもなりました。日本では、首相がホテルのバーで飲食するのはけしからんとか何とか、本当にワイドショーレベルのことばかり取りざたされてるし、2代続けて政権がなげだされて終わっちゃうし、このアメリカの選挙騒ぎ、まったく馬鹿にできないではないですか。。。
と、オバマ氏の熱い演説を聞きながら、ああ、やっぱりこの国はきっとシブトイよなあ、としみじみ思ったわたしでした。
なんだか定性的な感想で申し訳ないのですが、選挙の日を一ガイコクジンとして傍観した思惑として。
後気になるのは、カリフォルニアでは大統領選の裏番組である、Prop8 (カリフォルニアでの、同性愛者の結婚を認めないという提案)の行方。カリフォルニアの州法では、同性愛者による結婚を認めていないのですが、それに対しカリフォルニア州最高裁が今年5月、州法は憲法違反との裁定を下し、それに対し反対派がこの11月の州総選挙に持ち込んだもの。まだ最終結果は出ていないのですが、現在、通ってしまいそうな雲行きです。http://vote.sos.ca.gov/Returns/props/map190000000008.htm
サンフランシスコで暮らすわたしの周りにはゲイの友はぞろぞろいて、自分の事務所のパートナーでもゲイの方はいますし、部下にもいます。(ゲイのパートナーがいる、というのは日本から来た当時、やはり衝撃的ではありましたが)。身近にいるだけに「誰かが勝手に、男女以外は結婚しちゃいけない、とか決めるのはどうかと思う」と考えております。反対派の方には、ほかの州からゲイがなだれ込んできたら、だとか宗教的な理由とかいろいろあると思うのですが、自分が結婚しちゃいけない、と言われることを思ったら、と思うのですが。。。
そして、なんだかんだ、この先ペイリンをテレビで見ないのかと思うと、ちょっと寂しい。英語でのパブリックスピーチに自信がないわたしにとっては、ペイリンのしゃべり・・・文法がすっ飛ぶ、たまにわけが判らなくなるのか幼稚なことをいう(有名なロシア外交の話とか)、は、見ていて「あいたたた」で、ほかのアメリカ人が酷評するのを聞いていて「でもなー、自分もよく、英語ではああいう風になっちゃってるんじゃないかな?」と反省する、いい機会だったのでした。SNLだけでもいいから(ティナ・フェイも得意技の賞味期限があまりに短かったのは残念だろうし。。。)たまに出てきてくれないかしら。
最近のコメント