ちょっと前のことですが、ボスにこっぴどく叱られました。 前は良く叱られてたんですが、あれほど怒られたのは久しぶり。。。
ある1日に、1つめ、超忙しかった彼女の勘違いで巻き込まれ事故みたいなもの、2つ目は私のミス、で、なんか午後から夜10時くらいまで電話で怒られつづけたのでかなりぐったり消耗しました。半泣きで朝方まで火消し仕事、とか言うの久しぶりにやりましたね。苦笑。自分がこさえたミスというより、わたしがサインオフしてしまった後輩の調書に結構大きな間違いがあったってケースですが、サインオフした調書はすべて自分の責任というのがルール、1年生の調書をもっと注意深く見なかった私がいけないです。
いやー、何年この仕事やってるんだ、と情けなくなりましたが、ま、仕方ないですね。叱ってもらえる、というのはそれだけパートナーがDetailにまで責任もって目を配ってくれているという事でもあって、ありがたいとさえいえます。
この前T氏と話してたら、「最初の2年くらいは○○さんとかXXさんにすっごい怒られましたよー、口悪いですからねー、ぼろくそに言われて、あはは」って。。。あれっ、わたしも同じ先輩方とお仕事しているのに、まともに怒られた記憶がない!これは、私が優秀で怒るところが見つからなかった、、、んな訳はなく、当時はわたくし「若い女の子」だったので周りが気を使ってしまって怒れなかったんだと思うんですね。苦笑。素晴らしい先輩方でしたが、女性と仕事をするのにはなれてなかったからな~。ということで、そこで成長機会をみすみす逃したわたし、アメリカでは怒ってくれるボスがいてほんとによかったんだと思います。
さて、アメリカで目一杯怒られてきた私の感想。怒られかたにも作法がありますが、日本のそれとアメリカのそれは違います。特にミスをしてしまったときのリカバリーは日本人とアメリカ人に対するのでちょっと違うな、と思う。
私がしばらくコミュニケーションコーチングをとっていたのは前に書いたのですが、英語でのコミュニケーションスタイルとして、 Assertive, Responsive, Non assertive, Aggressiveという4つがあると習いました。
Assertive:Gives information, Expresses want, Persuades, Controls (たとえば不本意な残業を依頼されたとき、自分はこの仕事は次の日の朝にやれば間に合うと信じており、それを相手に納得させるように交渉する、というようなスタイル)
Responsive: Seeks information, Shows understanding, Modifies behavior, changes behavior (上述の例でいくと、相手にとっていつまでにそれが必要か、それが今夜やる必要があるのかをじっくりと聞き出す。その上で相手にぎりぎりのところまで合わせる)
Non Assertive:Accomodates,self-pities, put self down (ともかく上に残業を命じられたら上の命令なので従う。不本意なのであとで同僚とかに新橋の飲み屋とかで愚痴る)
Aggressive:Patronizes,shows contempt, puts others down (「私は定時で帰る権利がある」などととりあえず自分の権利を強く主張して相手を攻撃する)
の4つがある、というのを習いまして、このうち、AssertiveとResponsiveのコンビネーションだけで仕事上の会話は成立させるようにしましょう、という指導をうけました。で、この、ミス発覚!ボス怒ってるし、の状況でもおんなじなんですねえ。いまのところ、私の構築した自分なりの「叱られ方ベストプラクティス」は以下のとおりです。
①まずは話をきく=Responsive
ともかくしゃべりたがるアメリカ人なので、相手が目上の場合は特に、私は全部まって言わせることにしています。(その間に必死で③で何をいうかを考えておりますので、これはBuying Time なのです)その間に向こうの興奮が収まってくれば素晴らしい。。。
②ごめんなさい、は言わない=Assertive
同僚がボスに「これ間違っているじゃないの!きー!」「なんでこれがまだ終わってないの!きー!」と言われているときの対処をみると、絶対あやまらないです。私は日本人なのでつい、相手が怒っていたり、いらいらしていたりするととりあえずあやまってしまいたくなるんですが、「謝る以外に対処法がないとき(約束していたミーティングに大遅刻したとか)」以外は謝らないでいい、というか謝るべきではないのかな、と最近思っています。謝るというのはすっごいリスクが高いことなので、明らかに自分に非しかないとき以外はやめといたほうがいいですね。
③言い訳はしない、自分で解決方法を提案する=Assertive
で、相手が一息ついたら、私は、「なぜそのミスが発生したのか」の説明は一切しないで、とりあえず「じゃあこれから私はクライアントに電話して確認し、2時間でそのスケジュールを直すので、夜9時までに送ったら見てもらえるかしら?」と即座に事態回収の方法を具体的に提案する、ということにしています。このだんどりを考えるために①の間じーと黙っているわけですね。
監査法人のパートナーというのは忙しくそして、しんどい仕事でもあります。なにせ、紙切れ一枚にサインすると莫大な訴訟の対象になることすらあるんですから。なので大体いらいらしててせっかちな人が多い。そしてやっぱり、彼らも自分の判断に迷いがあったり、不安だったりすることもあるので、部下は言われたことをするだけではなく「ディスカッション相手」でいてあげないといけないんだな、と思っています。なので、「これ違うんじゃないの?」となったときに部下に謝られちゃって全面降参とかされちゃうと彼らも困るんですね。言い訳して、大丈夫だとかんじさせて、安心させてほしいんだと思います。
で、何でミスったか、について自分にも言い分がある場合は、すべて解決してから一言、「これはこういう事態だったので次回から気をつけますね」というメールを送っておくと、ボスもその頃には頭が冷えているので大体、穏やかに返してくれます。
これで、④ただ謝って向こうにああせいこうせいという指示を仰いでしまったら Non Assertive ⑤そもそも、もともと私じゃなくてだれだれのミスだし、キー!とかってきれちゃったらAggressive.
でもね、なんか、日本で怒られると、なんか、④か⑤になっちゃうと思うんですよね。特に④は日本人がすごーく陥りやすいトラップだと思う。 「すみません、私のミスです。どうしたらいいでしょう?」って日本語だったら潔く非をみとめ、相手をたてる普通の文脈ですが、英語に直してみると、とたんに、I am so sorry, it was my fault. What can I do for you? って、すっごくNon Assertiveです。プロフェッショナルとしてはかなーり、あれあれあれ、な印象。
まあ、怒られるとどうしても動揺するのでうまくいかないこともありますが、頭真っ白になるくらい動揺したときのためにも、一応のストラテジーができて、私の「怒られ方」大分ましになったんじゃないかと思ってます。私のよいお手本は「いらいらしているパートナーの話をきいて、どんどん解決策を示して仕事を片付け、安心させてあげることがうまい」男性の同僚D。かれは全然Aggressiveではないですが、ともかくAssertiveの塊みたいな人でほんと参考になります。Dが奥さんと話しているときの様子とかをみてて、ひそかに彼らアメリカ人男性は、奥さんやガールフレンドの相手でそういうのにすごーく得意になっているんじゃないか、とおもっているんですが、これはまだ仮説。。。
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