iPhone3Gs買っちゃいました~。
iPhone3Gs買っちゃいました~。
投稿情報: 08:33 カテゴリー: Accounting/Audit, Web/Tech | 個別ページ | コメント (9) | トラックバック (0)
予断を許さぬ状況が続くアメリカの金融危機ですが、昨日Bailout Planが通らなかったときは、サラ・ペイリンのスピーチをはじめて聞いたときと同じくらい驚きました。。。ほんとアメリカという国は読めない。上院は通る、という見通しで動いてるのかもしれないけどまだまわかんないですね。
緊急避難というか、ともかく恐慌を避けるためのBailout Planですが、同時に、「時価会計の廃止」というのも真剣に議論されております。FTによると、欧州では、仏サルコジ大統領が動いているとか。日本でも時価会計の導入時に産業界からものすごいプレッシャーがかかりましたが、まあ同じ話ですな。実際自分の友人で投資のお仕事をされているitsanyclifeさんみたいに、識者でもその方向性に賛成の人は多くいらっしゃいます。
でもって、本日SECから出てきたのが、こちら。私が読んだとおり、SECとFASBは面子にかけてFAS157を死守しております。無論、「マーケットが存在しなければ、レベル3に入れて、マネジメントの判断で評価していいのだ」とか判断を緩める方向ではあるのですが、FAS157の根本を揺るがすものは何もない。
この中で、キーはこのセンテンスですね。
Transactions in inactive markets may be inputs when measuring fair value, but would likely not be determinative. If they are orderly, transactions should be considered in management's estimate of fair value. However, if prices in an inactive market do not reflect current prices for the same or similar assets, adjustments may be necessary to arrive at fair value.
「あまり取引のない市場での時価(投売りがたまにぽつんぽつんとおきるCDO市場とかを想定)は、公正価値を決めるにあたっての要素になりうるが、決定的ではない。もしそれが秩序だったものであれば、その取引はマネジメントの公正価値評価で考慮されるべきである。しかし、あまり取引が活発でない市場での価格が、同じもしくは同様の資産の現在価格を反映していなければ、公正価値の決定に当たって調整が必要である」
Read between the lines って感じですねえー。
しかしこれ、あんまり、今年3月のレターと変わってない気がします。これじゃ、時価会計廃止へのプレッシャーはしばらく続くのでしょう。で、アメリカなので、やっぱり時価会計中止、とかいう可能性もあるんだけど、私はやはりSECとFASBにはそこはしっかりしていていただきたいですよ。
私と同じことを考える会計士は多いのでしょう、会計士業界が猛烈に時価会計廃止反対に動いている、という記事がでてました。 これは要約すれば、「別に時価会計は今始まったものではない(FAS157は新しい基準ですが、有価証券の時価会計はアメリカでは遥か昔にはじまっておりました)」「投資家が評価を信用できなくなっても混乱を招くだけ」ということで、まあ、私にとっては理解しやすい内容です。
追加すれば、こちらのような意見も。 1980年代のS&L破綻のときの話で、危機回避のためにincome capital certificates(一種の支払手形ですね)を自己資本に含めるたり、net worth requirementを4%から3%にさげたりして一生懸命下駄をはかせたんだけど、結局それが問題を長引かせた。。。んだそうです。このあたりは、私あまり詳しくないので、あとで復習してみます。
ま、私の意見はこのときと変わりません。「ものさしを変えても実態は変わらない」。JPMorgan Chaseのアナリストが、 “blaming fair-value accounting for the credit crisis is a lot like going to a doctor for a diagnosis and then blaming him for telling you that you are sick.'' っていってらっしゃいますが、同意。
その時点での公正価値が実際に売れる値段ではないから違和感があるっていう議論はわかるんですが、それでは現代の財務諸表って言うのはなんだ、っていう話なんですよ。結局、「よくわかんない中でのBest Guess」を開示しましょう、っていうのが現代の財務諸表へのコンセンサスだと私は理解しております。で、さすがにコンセンサスを動かすのはまずいよね、ってはなしです。
時価会計を一時中断する、というのは加えて、効果も大したことないと思います。ものさしを勝手に動かすことが投資家に不安を残すのは変わらないし、むしろ、妙に投機的な動きをする危険もあります。そういうちまちました下駄を履かせていないで、乱暴ですが、さっさとBailout 法案とおして、公的資金を投入してしまえ、と思います。もちろん、そこに大きな問題を含んでいるのは理解していますが、駄々こねてたってしょうがないでしょう。(と、国民ではないから何も口出しする権利はなく、一方でアメリカに税金はごっそりもっていかれている私には、言う権利、ありますよねー。笑)。国民に説明可能にするために必要なんだったら、報酬制限だけでなく、過去期間の返還もさせたらいいんじゃないかしら。某日本では不祥事を起こした金融機関が前頭取までさかのぼって役員報酬返還とか、してるわけだし(苦笑)。
ちなみに新聞記事とか人様のブログをよんでて、FAS157ってあまり世間の理解を得ていない会計基準なのだなー、と思いましたです。まあ、私も現在実務では適用しているクライアントを担当しておりませんが、あまりにも衝撃的な会計基準だった(それはむしろ、エンロンよ再び、になる危険な会計基準という意味で)ので、マニアックに追いかけてきて2年ちかく。ちょっとここらですこしまとめて見ます。。。眠くないときに、気が向いたら。笑
投稿情報: 00:47 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
今日は事務所のイベントがあって、その打ち上げでサンフランシスコのBeale street Bar and Grill へ。
(写真は関係ないけど、ハワイで見た虹です)
ここ、長距離バスの発着所に近いせいか、客層がFinancial DistrictのほかのBarと大分ちがいます。no yuppy/snooty kind of bar ってYelpの批評にかいてありますが、スポーツバーでもあるので試合のある日の盛り上がり方は半端ではないし、早い時間は労働者風のオジサンがたむろしてて、所用でビジネススーツだった私がとことこはいっていくと「ここはおねえさんの来る場所じゃないんだよ」てな視線の攻撃をうけ、ちょっとひるむ。。。
目的地は2階の貸しきりパーティースペースで、そこにいってみると、カラオケパーティーでした。。。 私はアメリカ人、特に自分よりちょっと年上の世代とカラオケに行くと、彼らの照れぶりにものすごくこちらまで恥ずかしくなってしまい、なんだかいたたまれない気持ちになるのです。なぜでしょうか。本気で恥ずかしそうにビーチボーイズ(!)を歌う自分のボスを身ながら、なんだか自分まで辛くなってしまいました。。。
この点、普段シャイでも、カラオケは堂々とうたう日本人の文化って不思議ですよね。新人時代、工場行脚の行きの新幹線で、「天城越え」とかテープ(!)で学んでおじさんとのカラオケに備えた自分が懐かしい。。。(当時は若くて真面目だったので、上司に言われるがまま演歌のレパートリーを作ったのでした。笑)
さて、カラオケが日本発のグローバルスタンダードなら、日米を揺るがす欧州発グローバルスタンダードが国際会計基準(超無理やり。)アメリカでSECが国際会計基準の採用を認めることになった瞬間、将棋倒しのように日本でも動き始めましたね。その辺のタイムラインを見ていくと、ちと面白い。
8月28日 米SEC、国際会計基準を14年から順次導入
「米証券取引委員会(SEC)は27日、米国の上場企業に国際会計基準の採用を認める方針を明らかにした。計画案によると、2014年に一部の大企業が採用し、16年には中小企業も含めて導入を終える計画だ。義務化するかどうかは11年に最終判断するとしている。独自の会計基準にこだわってきた米国が欧州主導の国際会計基準採用に動くことで、日本の導入議論にも影響を与えそうだ。」 http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080828AT2M2800W28082008.html
9月4日
「経団連、会計士協などは会計基準を巡る金融庁の協議会で、9月中旬に国際基準の導入を提案。実際に会計基準を作る企業会計基準委員会や学識経験者らと国際基準の導入に向けた協議を始める。企業などからの要望を聞いたうえで、最終的には金融庁が導入を決める。」 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080904AT2C0300G03092008.html
9月5日
茂木内閣府特命担当大臣の記者会見答) 「新聞で、経団連(日本経済団体連合会)、公認会計士協会、金融庁の方で検討という感じの報道があったのは存じ上げておりますが、今の基本的な方針というものは変わっていません。ただ、今後の問題につきましては、当然、議論の観点としてそういった問題も出てくるのではないかと思います。」
まあ、なんというか、アメリカの報道をみて経団連と会計士協会が大あわてで突っ走って、金融庁がちょっと焦って、けん制してうにゃうにゃいってる、って感じなんでしょうか。 どっちみち、日本だけ採用(アダプション)はしませんよ、っていうのはとおらないのじゃないかと思います。ので、年内には「やっぱり採用します」っていうんじゃないかな。いや、もう少し早いかも。
この話のポイントはむしろ「義務化するかどうか」までアメリカが踏み込んでいるところですよね。今回の決定は、「採用したい企業に認めるだけ」で、USGAAPとIFRSのダブルスタンダードを意味しますが、義務化=USGAAPの国際会計基準への統合、ですから、これはものすごいインパクト。あれだけの経験値のあるUSGAAPの廃止をアメリカが真剣に考えてるってことです。日本は、「だってのれんは償却しないと。。。」とかちまちました論点にこだわってる場合じゃないってことをよく認識すべきでしょう。
この先アダプションするかどうするか、より、どういう風にアダプションするか、がキーだと思います。アメリカは上述のとおり一会計年度にすべての会社が一気に移行するという方針を採らないのですが、そこの混乱に乗じてヘッジファンドが儲けるだろうからけしからんなどという声が出ています(利益にしてどんなに大きくても5%も動かないといわれてるので、そんなんでアービトラージできるのか私には疑問ですが。。。)。ヘッジファンドが儲けるのがどうかに関係なく、私は個人投資家にとってわかりにくくないといいな、と思うわけです。
一方で、タダでさえもここ近年、四半期開示、SOXと負担が大きい企業の負担感も考えて、時期は慎重になったほうがいいですね。まあ、2012年あたりがキーでしょうか、やはり。。。
国際派会計士?として監査でくっていくつもりなら、Next DestinationはUKなんだろうなあ~。。。(ぼやき)
投稿情報: 00:08 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
最終回の第6回まで終わってしまったドラマ「監査法人」。
所用で日本に帰国していた間に、身内から録画しておいてもらったDVDを預かって、しかしまだ2回目の途中までしか見ていません(汗)私、もともとテレビを見る習慣がないので、録画してあったものを見るという行為もなかなか前に進まないのです。。。
会計系ブログを中心に、いろんなところであげられている「これっておかしくないの?」という点はいくつかあるにせよ(だから会計士は決算を「承認」しないんだってば、とか、銀行に嵌められて不正を行って会社がつぶれるとかよくわからん、とか)よくできたドラマだとは思うし、私たち会計監査に従事するものにとっては家族や友人に監査の仕事の一端でもわかってもらえるいいチャンスではありました。
しかし、じわじわと広がってきた違和感が、「厳格監査のためならば」と「古いタイプの会計士」と対立しつつも、その意義付けに苦しむ主人公たちの姿。このドラマの中では「厳格監査」「古いタイプの会計士」というフレーズが繰り返し出てくるのですが、「なんのための厳格監査?」ということがすっぽりぬけていることが、このドラマの奥行きを浅くしているような気がしてなりませんでした。 ドラマからだと、会計士の「正義感」が「厳格監査」に走らせているように見えますが、本来は違います。会計士は、企業を「正義をもって裁く」存在などではないですし、そんなことを思っている会計士はいないのではないでしょうか。
企業の業績を評価するのは市場、そのために決算書が正しいかどうかの保証業務が監査です。 監査を厳格にしなくてはいけない、という昨今の潮流は、もともとは不正決算があいついだ米国で、企業決算への信頼性を取り戻そうという資本市場からの要請でした。日本も、昨今の会計不祥事の連続でそのように方向が変わってきました。ゆえに「厳格監査」は投資家のためのものであるはず。もちろん「厳格監査」の結果、投資している会社がつぶれたり、株価が急落することを既存の投資家は望んでいないでしょう。ただ、「投資を行うか、行わないか」の判断は、やはり信頼に足る決算書で行わなくてはいけない、という意味で、少なくとも新規投資家には必要な情報で、資本市場の安定のためには厳格な監査は確実に必要です。まあ、そこまでをドラマで織り込むのは無理だったのでしょうが。
そして、私の見ていない後半の回では、厳格監査を標榜していた会計士たちも粉飾に目をつぶらざるを得ない局面に遭遇するようで、まあ、厳格監査だけを目標にできたのも、事務所の経営を考えなくてもいい立場だったから、というのは切ないですね。しかし、普通に仕事をしているだけで、これほど強い意志を必要とする仕事も他にないような気がしてきました。粉飾に加担しても辛いし、粉飾を糾弾しても辛いし、なんか、しんどいしごとですよね。「厳格監査」と昔ながらのクライアントに寄り添う監査のハザマで揺れて行方をくらませた代表社員が「次は、自分の身の丈に合った仕事をするよ」と言うのを痛ましい思いで見ました。しかも、主人公の「厳格監査」人、家族からは見捨てられちゃうようですし。このドラマを見て会計士になりたい、と思う若い人がいるかなあ。。。
ちなみに、アメリカの同僚たちに、「日本では今ね、"The audit firm" っていうTVドラマをやってるんだよ~」といったら非常に面白がっていました。「こんなドラマチックじゃない仕事がどうやってドラマになるんだ」というのがもっぱらの見解。ていうか、「厳格監査」で会社がつぶれる、とか、人が死ぬ、とかいうのが全くぴんとこないだろうな、と思います。監査を厳格にやったらつぶれる会社など最初から市場に存在する価値なし、というのがアメリカ人の見解ですからね。(まあ、その辺は昨今のサブプライムと金融資産の評価では、アメリカでも監査が厳しすぎると金融機関が全部つぶれてしまう、という論調はあるんですけれど)
ところで、会計士らしく?各回の粉飾と現実の事件を勝手に結びつけて楽しんでみたいと思います。
第一回 未完成の販売住宅を「完成工事」として売上計上してしまう=ミサワホーム九州。えー、こんなあこぎなことするのーっ、とおもってたら、住宅販売会社を担当していた知人会計士いわく「数年前まで業界の常識だった」と。うーん、おそるべし。
第二回 不良在庫の飛ばし =カネボウ カネボウで「宇宙遊泳」という不良在庫毛布が、飛ばし会社の間を浮遊していたのですが、SPEも全部連結という方向に向かう今後、こういう話はだんだん昔語りになるんでしょうか。
(以下は予告サイトからの情報より)
第三回 コンピューターシステム会社の架空循環売上 =IXIかな? 先日、あるPEの方から、架空循環取引ってどうしてわかんないんですか、っていう質問を受けたのですが、既存の監査のやりかかたではもっとも判断が難しいものだと思います(すべて関連の監査証拠がそろってしまうので)。リスクが高かったらどういう監査手続きをするべきかなー、というのは私も頭をひねるところです。。。(後日注:ドラマの中では各取引先に乗り込んでいって問い合わせしていましたが、現行の監査資源でそれができるワケないし、下手したらクライアントに業務妨害で訴えられちゃうよなあ。。。)
第四回 繰延税金資産を5年分つんじゃった銀行 = 足利銀行か、りそなか。繰延べ税金資産の資産性を判定するということは、会計士に課されたかつてない重い判断だと制度設定当初、当時補修所で習ったんですが、最近はそんな判断を問う会計処理ばっかりになっちゃいましたね。
第五回 加盟金収入の出店前計上=一大会計不正として数年前米国を騒がせたクリスピークリームの事象に似てますが、さすがにあの会社も米国で上場してましたので、加盟金売上はUSGAAPに準拠して出店時に計上してました。日本ではこの辺をシロクロつける基準はないのですが(以前に実務を調べたことがありますが、フランチャイズ形式をとる各社、見事に処理はバラバラでした)。後日注:加盟金は出店時計上、と主人公会計士は主張してましたね。えー、と思ったフランチャイズビジネスの企業も多いのでは。。。
投稿情報: 22:22 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
ここにきてあらためて監査という仕事の本質について考えています。何年やっても完璧にできた!ってことはなかった気がする、というとお叱りを受けるのでしょうが、現在の監査が「試査」を前提としている以上仕方がないのかもしれません。
会計監査に限らないと思いますが、「なんだかぴんと来ないなあ」と思っているときは、見落としている何かがあります。経験から。なのでそういう時はとことん考えて弄繰り回します。つついているうちに急に開けてくることがあるから。
書類と数字を追いながら考え込んでいたことが、ちょっとした会話がきっかけですべての構造が見えることもあるし、同僚に「頭借りたり」しながらディスカッションするのもいい。 監査に好きなだけ時間がかけられるほど恵まれた環境にないことも確かですが、「生きている会社」を監査するのに数字だけを機械的にAuditしていると見落としてしまいがちなことがある。そういうことの大事さをしみじみと考えます。
最近、事務所はどんどん世知辛くなる一方で、以前にましてEfficiencyを口うるさく言われます。Realizationを気にし、ぎりぎりのスタッフィングでチームを動かし、クライアントにFeeを請求しては文句を言われ、「無駄な監査手続きをしていないか」とパートナーに怒られるんじゃないかと、ともかく効率的に「こなす」監査に走りがちになってしまうのですが、たまに意識して立ち居地を引き戻さないと。
ところでドラマ「監査法人」があちこちで話題。。。って、一部特殊な「会計系ブログ」だけの世界ですか。笑
オンラインで見れるとおしえていただいたんですが、どうも、私のプライベート用PCのVistaと一部のソフトウエアが喧嘩中でまだ1話目冒頭しか見れてません。おおむね好評なドラマのようなので早くこのPCを何とかして見れるようになりたいですね。。。
投稿情報: 23:33 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
先日東京に帰ったときに、某ブログ仲間に「前みたいに写真をもう少し貼ったほうが読者は読むと思うよ、しかも大きく、綺麗にはるべし」といわれました・・・タダでさえもたまに無駄に小難しいのだから、せめてもの気持ち。笑 コレはサンフランシスコ・サンセットビーチの夕日
次回の事務所の研修資料が回ってきて、今回こそIFRSへのコンバージェンスが本題になっていました。IFRS, what? という感じだったアメリカのCPAたちも、だんだん真剣になってきたんだなー、と思いぺらぺらと見る。
米国のコンバージェンスは正直、予定通りにはいっていません。結局米国主導で国際会計基準を作っている風潮になってきているんですが、Business ComboのFAS160 とIAS27、IAS27にはかなり反対もあったのに議論が詰まりきらないまま採択されちゃった様子もあり、欧州諸国が本当にあれでいいのか、というのが心配されています。あと、MOUにははっきり乗っていないけど実はシリアスなのが、LIFOの適用と売上会計基準。Tax メリットがあるLIFOを禁止するのには米産業界からものすごい反発がありますが国際会計基準はLIFOみとめてないし、売上計上基準は「アメリカが複雑すぎ」「でも国際会計基準は何も無さすぎ」とまだ議論がまとまっていない。シンプル化するのはいいけど、アメリカでものすごく売上計上に関する不正が多かったのも事実で、それでいいのか、っていう気は私もたしかにする。(が、もう、アメリカのRev Recのシリーズは複雑すぎて、シンプルにして欲しいとは思う)
それでもSECのCox議長、今、任期中に国際会計基準の採用を米国企業にも認めるようにと大車輪の様子。SEC議長職って大統領の指名なので、ブッシュ政権の終焉とともにポストを外れるであろうことは確実だから、必死なのでしょう。まだ国際会計基準と米国会計基準が「本当に同等」ではない(国際会計基準で決算したほうが、利益があまくなる)という意見があって、結構割れているところなのですが、米国企業に国際会計基準を認める>同じ国内で二つの基準はわかりにくい>やっぱり一つにまとめますか、という動きが必然。最近の流れを見ていると、米国はどんどん、国際会計基準に親和していって、米国基準はそのうちなくなっちゃうんじゃないの?というのが現実的になってきました。うん、アメリカは超合理的なんで、やるときはがっさりやっちゃうでしょうね。
一方で、G8参加国の中ではアメリカとともに「唯一のコンバージェンス路線」をとってしまった日本。日本の会計基準はEUで「同等」と認められ、2009年以降もEU域内で使い続けることができるのは喜ばしいですが、しかし、いつまでそれをやりつづけるのだろう、韓国が、カナダが、ギブアップしてアダプションに向かうなか、「日本は何をがんばっているのだろう。。。」という感じが強くなってきました。
私は会計士ですし、日本と米国の会計基準を弄繰り回して飯の種にしているわけですが、正直に言えば、会計基準は「ものさし」以上の何ものでもない、と思っています。お世話になっている米国勤務の日本の会計士の方とコンバージェンスの話をしたら、その方も同意見で、「メートルとヤード論争みたいなもんだよね」と。で、「じゃあ、日本は、メートルに世界が移行しつつある中で、尺がどんなに正確で有用かっていいはってるようなものですね!」っていうやりとりをして、我ながら言いえて妙ではないか、なんて思ってたんですが、物差しでしかないのでそこであんまり、自前の基準の正しさを主張するアプローチは意味がないと思うんです。
どんな会計基準もできたときから理論的におかしいってことはなくて、それなりにそれぞれの国で見識のあるかたがたが、そのときの時勢に対応して作ってきたものですから、国と国とで比べて違うことがあっても、違うことに意味がある差異がほとんどです。もちろん、Outdatedになっちゃって、実情にそぐわなくなっている、ってものはあるでしょうが。なので、もうこの時代、たとえば「のれんはやっぱり定期償却すべきじゃないか」とか、正直言って、どーでもいいと思うんです。定期償却に理論的裏づけがあることは重々承知していますが、それより、これから先、もっと大事なのは「国と国との」比較可能性を保つことでしょう。そこが、やっぱり会計基準って学者さんが作っているので、自分の信じるところのアプローチにスタックしちゃいがちなのかな、と思っていますが。
10年近く前の「会計基準ビッグバン」のときはたしかに、日本基準が遅れているからキャッチアップすべし、という話だったと思います。が、今この段階では日本基準と国際会計基準、米国会計基準で、日本が圧倒的に遅れている分野はほとんどない(売上計上基準くらいかな)。その意識があるからこそ、日本は「コンバージェンスして、国際会計基準と同等と認められる基準を作っていく(だから日本基準という基準を残す)」という主張をしてきたわけですが、今は、既にそういう議論をしているときではないとおもう。
当面、アメリカと日本のみがコンバージェンスという形で国際会計基準と同等っていうポジションを目指してますが、アメリカは国際会計基準と自国基準を「同時に」開発している立場。昨年末にアメリカがFAS160の公開草案を発表し、相次いで2008年1月にIAS27の改訂版が出た、という流れを見ても、むしろ、米国がリードして会計基準を作っているというのは明らかです(IASBも7人の委員のうち、3人が米国から、しかも2人はFASB関係者となれば、さもありなん)。日本も「新しい世界基準を一緒に作っていく」といっていますが、日本の現行の基準や意見が国際会計基準に反映された、という話は聞いたことがなく、明らかにフォローしていく立場なのは明確です。カナダも韓国も中国もアダプションします。ここで、日本がコンバージェンスにこだわっているのは、やっぱり、「メートルが主流の世界で尺を主張している」ようなモンではないかと。しかも、メートルのほうは永遠に尺に歩み寄ってくれないのに。
さらに、読んでみればわかるんですが、FAS160超みにくい。要は、APB51をリバイスしているだけなんで、なんていうか、つぎはぎして手直しした感が満載。日本、この作業を必死で既存の会計基準に貼り付けていくのか??これだったら、内容が同じでわかりやすく書いているIAS27をそのまま読んじゃうほうがいい。米国がどんどん国際会計基準に対して親和しているのは「口も出し」「同じ方向性に誘導し」「最終的には取り込む」というようなアプローチで、しかも、内容が一緒でもっとわかりやすいものを同時に作っているんだから、うまいな、と思います。しかも、どっちも英語だから、IASBもFASBも横に並べて作業ができる。日本基準は、英訳はされているんでしょうけど、翻訳が入る時点で同時性がかけているわけで、その点でも圧倒的に不利。
IASB理事の山田辰巳氏は、去年の経営財務で「アメリカはそもそも国際会計基準に同化するかもしれない、日本もアダプションを考えたほうがいいんじゃないか」、ってことを指摘されてました。なんか、ASBJの方向と違うことをいってるなあ、と思って引っかかってたんですが、ASBJを代表して世界と交渉している立場の方で、世界の動きを良くご存知だからこその主張だったのでは、と勝手に思っています。
先日、ASBJとIASBの会談があったらしいんですけど、そのプレスリリースで、ASBJは「われわれのコンバージェンスへの取り組みが評価されてうれしい」といい、IASB議長はのっけから「グローバリゼーションは進む一方、国際会計基準は現在109カ国で採用されています」と。・・・ここに、なんだか両者の温度差を感じたのは私だけでしょうか?
投稿情報: 19:53 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
アメリカではちょっと前から良く話題になっていた「時価評価をいったんやめにしないとサブプライム問題が解決しないのではないか?」という議論ですが、4月12日の日経新聞に取り上げられていたそうで、ここ数日、日本のメディアでもとりあげられていますね。
実際のところ、アメリカで現状みられている動きは、SECが上場企業のCFOに3月下旬に送ったレターですね。これは、「時価」の解釈をすこし和らげた、という程度で、時価評価をやめ、にする内容ではないです。
それに関してはCFO.Comの The SEC's Fair Value Letters: Read Between the Lines が詳しいですが、要は、今レベル2「観察可能な市場に基づくデータか、観察不可能だが市場データと関連しているデータに基づくもの」に分類しているものも、現状のマーケットを考えるとレベル3「観察できる指標がなく、自社データのような観察可能でないデータに基づいて評価される」に分類することが可能、だから、レベル2だと現在の流動性が枯渇した状況での指標を織り込んだ「低い」評価額が出てしまうとこと、レベル3でもうすこし高い評価をすることも可能かもよ。。。っということが、行間から、読めます。
このレターに関しては、日経新聞がさらに「SECからの手紙」として4月17日に解説しているのですが(直リンクみつからず)、「市場原理主義者から見れば時価会計の後退は許せない。しかし、会計士ショックによる金融メルトダウンは防がねばならない。いまは理想論を振りかざせるような生やさしい局面ではない。」って結ばれてまして、なーんてことは別にSECはいっとりませんが、なんだかなあ、です。もともとは誰の責任だったんですかね、サブプライム問題?監査が甘くても辛くても会計士のせいにされるんじゃたまったもんじゃない。。。
まあ、レベル2から3への変更の詳細は開示されますし、レベル3のインプットの重要な要素も開示されます。ので、これは、市場原理主義者で会計士の私(笑)からみても、ありだと思います。レベル3資産=良くわかんない資産、が増えることが市場からどのくらい評価されるか、ってこととあわせると、決してそんなに、緩和でもないんですけど、SECの苦肉の策感がありますな。
さて、過激に、時価会計凍結してしまえ、という議論に関しての私の会計士としての意見は、「ありえません」。ええ、そこは市場原理主義者ですから。笑。 もすこし理屈を付け加えると、以下のようなかんじです。
1.「今は流動性が枯渇しているからたまたま無価値だが、市場が復活したら価値がでるものを、ゼロで評価することに違和感がある」という議論があるが、現在の市場価格は復活する可能性、復活しない可能性までを織り込んだ価格になっているはずで、それがゼロであれば、現在の価値はゼロでしかない。
ちょっとひねくれた解説をすると、金融商品の価値って「将来のCFの期待値の割引現在価値」が本質的な価値だと思うのですね。つまり、もともと100ドルだった金融資産があったとして、将来200ドルで売れる可能性が50%、0ドルになる可能性が50%なら将来CFの期待値は100ドル。その割引現在価値が70ドルだったら、その金融商品は70ドルと評価できますよね。モデルとしてはごく一般的、でも、変数の「期待値」に根拠を持たせることはきっと無理。ただ、これと結局、同じ計算結果になっているはずのものがあって、それは結局「時価=市場での価値」。効率的な市場を前提とすれば、市場は0ドルになる期待も200ドルになる期待も織り込んで価格がついているはずなので、結局同じ計算結果がでるはずなのです。そう考えると、50%の確立で市場が復活したら200ドルになるかも、だから、70ドルの時価に目をつぶって簿価の100ドルでもいいじゃん、っていう議論は、成り立たないわけですよ。もちろん、流動性が枯渇してしまっている市場が効率的なのか、までいいだすときりがないんですが、結局、現在手元にある情報の中で一番信頼性があるものは、「時価(出口価値)」なことは変わらない。言い方をかえれば、簿価が論理的に正しい、という裏づけがどこにもない、わけです。
2.財務諸表の本来的な役割として、「比較可能性」があり、それをゆがめることは許されない。
ある国については時価評価、違う国については簿価評価、では、「国と国の比較」をして投資をすることができない。比較可能性を担保するために進んでいるのが会計基準のコンバージェンスですよね。あと、期間比較の可能性、というのも必要です。ある年は時価評価、次の年は簿価で評価、では、その会社の実態を把握することができない(まあ、この辺は、注記で情報を追加できないわけではないが)アメリカでだけ時価評価を凍結する、とかなった場合、痛手を受けている欧州や日本の金融機関もじゃあ、という話は出てくるでしょう。そして、それを、どこまで広げる?・・・
3.1.2の理由から、財務諸表の質への信頼性が失われる危険があり、そうなった場合、この金融恐慌はむしろ悪化する可能性すらある。
投資家が「もうなにを信じていいかわからない」となってしまったら、それこそ流動性が枯渇するわけで、それこそ本当に怖い。
ただ、会計士の立場からの理論的違和感に目をつぶれば、上記のコスト(ほんとは理論的にはおかしいことをやる、さらに投資家の信頼を失うリスクもある)っていうことと、ベネフィット(とりあえず事態を収拾して、なんとか金融市場を建て直してこのスパイラルを脱却する)が上回れば、「アメリカはそこまでやるだろうし、それもあり」なんだと思っています。それを、日経の記事のように「理想論を振りかざすときではない」云々って言われるとかちんときますが、単純に費用対効果の問題ですね。アメリカって、ものすごーくプラクティカルな国で、日本のように「一回きまったものを変えない」なんてことがなく、必要だったらどんどんひっくり返します(実際、SOX法だって、そうやって途中から簡素化しているし)。その辺がアメリカの節操なしに強いところでもありますし。
やれやれ。それにしても、会計基準コンバージェンスどころではなく、これって戦国時代?ですね。
投稿情報: 07:45 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (11) | トラックバック (0)
Stanford GSBのFaculity SeminarでIFRSへのコンバージョンの話をするというので行って参りました。これは本来、GSB卒業生向けのプログラムなのですが、私が年末に米国企業のIFRSのコンバージョンについて付け焼刃で勉強していたのを知っていたとある卒業生の友人が情報を回してくれたもの。こういったセミナー、原則卒業生のみ、と書いてあっても、大体は卒業生以外にもOpenなのだそうです。ちょうど、お友達のiloveapple嬢からもGSBの別のセミナーへのお誘いを受けたりして、意外にもそういった良質のプログラムが公開されていることをしったばかり。こういった機会には、もうすこし積極的に顔をだそうとおもったのでありました。
今回、内容的には仕事上知っていることばかりなのはわかっていましたが、あえて参加したのは細かい内容より、Stanford GSBの卒業生がくるなら、投資家関係、シリコンバレー企業のCFOなど、会計監査とはまた別の視点を持つ方々がどのようにIFRSへのコンバージョンを捕らえているのか聞くいいチャンスかと思ったのが理由です。あと、講師であるGSB Professor、Mary Barth教授がIASBのメンバーの一人であり、制度設計の裏話的な話を聞けないかな、という期待もありました。
スタンフォード大学までたどり着いたはいいのですが、巨大な公園のような美しいキャンパスの中でGSBの建物が見つからず時計を気にしながらぐるぐる迷うはめに。。。やっと「→GSB」という看板を見つけたときは心からほっとしました。
部屋に入ったとき、まず、あまりに年配の方がおおくてびびりました。。。(失礼)。私の隣に座った紳士はGSBの卒業が1970年。後でお話したら、某大手IT企業でFinancial ReportingとInternational Taxの役員職を歴任されて昨年リタイアして独立され、個人でコンサルティングをやってらっしゃるとのことでした。そのほかにも1970年代の卒業生のかたがたくさんいらしたのですが、終了後のレセプションで話を聞いてみると、企業のAudit committeeの方というのがかなりいらしたんですね。なーるほど。一方、若手はほとんどが投資家やアナリスト職のかたでしたが、良く勉強されてて感心。そのほか、日本人女性で、私の前職の事務所出身で、GSB卒業後コンサルティングをされているとても素敵な方におあいすることができました。こういった出会いも、こういうセミナーに参加することの意義のひとつですね。
内容については詳細はまた別途、ですが、印象的だったのは、いくつか。
・後入先出法のあつかいが米国企業では一番おおきなコンバージェンス上の問題。国際会計基準はLIFOをみとめていませんが、米国企業の実に4割がLIFOを採用しています。これは、LIFOに税法上のメリットがあるためでもありますが、税法とも協調しながら変更を模索中とのこと。
・米国の多国籍企業はIFRSの採択に積極的で、実際、某IT系大手などはIFRSのアダプションに向けてのスタディをすべて終え、IASと内輪の会議までもっているそう。そもそも、オペレーションが各国にわたるマルチナショナル企業は、オペレーションをもつ各国でたとえばLPをつくるだけでもその国のルールでファイリングの義務が生じたりするので、IFRSで統一できるならそのほうがレポーティングへのコンプライアンスコストはやすいのだそうです。そこで、ドメスティックなシリコンバレー企業はそういうメリットはないんだ、と噛み付くひとがいましたが、Barth教授は「この細かいUSGAAPにコンプライアンスし続けるより、初期コストはかかってもIFRSを採択するほうが費用は安くなる、とのスタディがあります」と一蹴。
・おそらく今年の夏にはSECはIFRSの採択オプションを米国企業にも許可するのではという「噂」。SEC現議長のコックス氏はIFRS採択推進派で、11月の選挙で風向きが変わってしまう前にそれを通してしまいたいと思っている、との「噂」。
・私の関心は、売上計上基準がIFRSとUSGAAPで細かさの精度がぜんぜん違うことに対し、どういう見解をもっているのかというところが大きかったのですが、Barth教授は「USGAAPがシンプル化します。今の220もの細かい基準は誰もフォローできないし無意味でしょ」とばっさり。投資家筋の男性は「細かいルールがあっても不正をする会社はするし、そうじゃなくてもしない会社はしないしね」と、あまり細かいルールオリエンテッドへの執着はなさそう。意外に企業サイドの方のほうが「きちんとしたInterpretationが無いのはとても怖い」というので意外でした。
・あと、IFRSをAdoptではなく、コンバージェンスしている国がものすごく少ないことにちょっと驚きました。。。ほとんどの国はおとなしくAdoptしているんですよ。コンバージェンスしている米国は、結局ほぼ、「自分の国と同じルール」(Business Combinationなんかは結局文面までほぼ一緒というものが出来上がっています)を一緒に作っているわけで。で、日本は「アダプションではなくコンバージェンス」っていうのに妙にプライドを持っているみたいなんですが、なんかまた、妙なところにこだわったせいでおいていかれるんじゃないでしょうね。心配。。。
終了後、いくつかマニアックな質問をもってBarth教授に質問にいったところ、まだ公表されていないいくつかのResearch Paperを送ってくださるとのこと。こういう機会があったらまた是非積極的に顔をだそうと思ったのでありました。
投稿情報: 00:17 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (4) | トラックバック (0)
ここ数日、アメリカの景気は荒れてますね。12年ぶりの1ドル100円割れ、なんでこんなときにドルで給料をもらっているんだと涙がでそうです。あーあ、来月日本にかえってもお買い物たのしくないなあ。。。なんてレベルではない影響があるかたもいらっしゃいますね。すみません。
そんな世間を尻目に個人的には締め切りの連続を何とか走りきってほっとしています。アメリカでは企業規模別に10Kアニュアルレポート(日本で言うところの有価証券報告書)のDueが決まってますが、Large Accelerated Filer(大規模公開会社)が決算日から60日、Accelerated Filer(大規模ではない公開会社)が75日。Large accerelated filer(大規模公開会社)の10Kのファイリングが終わり、息つく暇もなくAccelerated Filer の10Kファイリングで、2月末からずーっと締め切りに追われる日々でした。なんというか、1500メートル走が終わったあとにもう1トラックまわされた、みたいなかんじで、ひざががくがくです。
今日は、Accelerated のクライアントのDueがありましたが、いろいろあったクライアントで、ファイリングデッドライン30分前まで、本部のSEC Partner(品質管理担当で、テクニカルな問題の最終決定権者)のOKがでないという綱わたり。ファイリングは東海岸時間の5時で締め切りなので、西海岸ではその日のデッドラインは2時にやってきます。クライアントに、最終版の10KとForm 12-b(ファイリング遅延のNotice)を両方用意してもらい、ランチも取らず電話にかじりつきっぱなし。クライアントとナショナルオフィスの板ばさみで、することなくなっちゃったCFOはドアの外でManagement Representation Letterを抱えて立っててプレッシャーかけるし、SEC Partnerは頑固だし、頼みの担当パートナーは別のクライアントのEarnings Release(決算発表)と重なってぜんぜん電話に出てくれないし、これでファイリングが遅れたらというプレッシャーがずっしりと。
最終的にナショナルオフィスから了解がおりたのが1時35分、10Kの最終変更をチェックし終わったときは1時52分、クライアントがアップロードのボタンをおしたのが58分。15分後、Edgerの画面でアップロードを確認して、へなへなと椅子にくずれおちました。あー、もう、こういう心臓に悪いのいや。もうすこし、余裕のあるスケジュールで決算を組めるようになってください、お客様。
まあ、何はともあれ、終わってよかった。4時には現場をクローズしてクライアントとハッピーアワーに出かけ、とりあえず打ち上げ。その後、クライアントから珍しく明るい時間に運転して帰ったんですが、まずもって明るい時間に走らないその方向のハイウェイ、ぜんぜん知らない道に見えてとても違和感がありました(苦笑
さて、ここ数日分のニュースをまとめてきちんと読んで、米国景気の先行きを憂えるとしますか。。。
投稿情報: 01:43 カテゴリー: Accounting/Audit | 個別ページ | コメント (2) | トラックバック (0)
年末までに2007年度中の会計的事件ベスト5くらいをあげようかなーと思ってたんですが、年内に時間の余裕がなく、タイミングを逃したと思っていたところ、大御所のブロガーのかたでも年が明けてから2007年のベストなんとか、を発表されていたりするのを発見。私もそれに乗ってみようかと思います。
日本版
1.中央青山監査法人の瓦解
最大手監査法人の一翼への業務停止命令と瓦解。一連の報道は、監査法人業界の潮目が変わりつつあったことを象徴していたと思います。
(関連エントリー)
2.国際会計基準へのコンバージェンス
「アダプションではなくコンバージェンス」というのが日本の企業会計審議会の主張しているところなのですが、実態を良く見れば、日本が白旗を揚げたのは明確。確かに、日本基準と国際会計基準の間に「意味のある」差異もあるのですが、それを国際的に認めさせる説得力が発揮できないなら、国内でいくら「日本基準はほぼ同等とみとめられている」とか「日本基準には意味があってこういう差異がある」とかいってたってしょうがないんです。会計基準は所詮ツールなので、日本基準が国際的に通用するのでなければ、日本企業にとってGAAPコンバージョンが負担になるという現状がいつまでも続く。これははもう、この際なので、韓国みたいに自国基準を捨てて和訳した国際会計基準を取り入れちゃってもいいんじゃないんですかね。
(参考メディア記事)
3.架空循環取引と新興市場への信頼性下落
NECの子会社、メディアリンクス、加ト吉、、、監査人泣かせの循環取引がいくつも露見しました。循環取引はお金の裏づけがついて回るだけに監査で発見しにくい不正のひとつ。それにしても、売上拡大プレッシャーの大きさに屈し、易い方法に流れる企業を見ていると、日本の企業不正の質が変わってきたのかな、という気持ちになります。
日本で自宅に送られてきていた「公認会計士業務資料集」別冊22号を持って帰ってきたのですが、その中でも最近、株価操作を目的にした粉飾が目立つこと、架空売上計上がその典型的な手法であることが書かれていました。そういう意味で、最近の日本らしい粉飾の手口だといえる気がします。
ちなみに循環取引は英語ではround tripと呼ばれますが、米国ではあまり一般的な不正手段ではありません。何故でしょうね。取引先同士の力関係が日本ほど濃くないから?担当者のターンオーバーが早いから?
(参考メディア記事)
4.会計士4000人合格時代の到来
会計士が1年に4000人増える時代。この時代に合格した会計士の皆様の今後の活躍を心からお祈りするとともに、今後の自分の身の振り方も考えさせられるニュースでした。
(関連エントリー)
5.日本版SOX法開始に向けてコンプライアンス狂騒曲
日本版SOX法はどこへ行くのか。現場で監査に従事するスタッフから聞こえてくる声は「こんなことをやって本当に粉飾がなくなるのでしょうか」。それにしても、日本のボトムアップ型の意思決定にマッチしない基準が作り上げられてしまったのも混乱の原因のひとつではないでしょうか。(上がわかっていないのに形式的にだけトップダウンだから、下のほうで「何をやっているかの意味がわからない」という声が大きくなる)大体、自分で手を動かさない学者とかエライ先生とかが決めてしまったルールなんで、今後、必要に応じて柔軟に変えていきましょう、位のつもりであってほしい。。。そう願いたい。
ところで、日本に帰国中、「勘定奉行 内部統制対応済み!!」というCMを見たのですが、どのように何を対応したんだろうか、勘定奉行。とても、気になります。。。笑。
アメリカ版
5件も思いつかないなあ、ということで、2007年はむしろ日本のほうが会計的事件の多い年だったのかも。
1.サブプライム問題とレベル3アセット
アメリカで金融機関を中心に早期適用が今年から始まっていたFAS157「公正価値の測定」。2007年11月15日以降に始まる会計年度からすべての会社で適用が開始となり、以降、金融商品を3つのカテゴリーに分けて開示することが必要となります。そのうち、レベル3アセットと呼ばれる「市場価格の裏づけのない金融資産・負債」の質への疑い、つまり「サブプライム問題で痛んだ資産がその中にまだ入っているのではないか」という見方がさらにサブプライム問題をながびかさせているのではないかという説もあり。HSBCのSIVの評価問題(こっちはどちらかというと連結の議論だけど)なんかもあり、ともかく、何がでてくるかわかんないなー、というのがこの関連。
(参考メディア記事)
2.ストックオプション・スキャンダル
すっかり報道されることも少なくなってしまったストックオプション・バックデート問題ですが、いまだに問題のあった会社ではせっせとrestateの作業を続けていますし、裁判中の案件も多くあります。経営者の倫理と会計への理解が問われた事件でしたね。
(関連エントリー)
アップルはストックオプション・バックデートスキャンダルを乗り切ったか
(参考メディア記事)
3.SOX法スケールダウン開始
あまりにも批判の強かった米国のSOX法。試行錯誤の最初の3年を経てAudit Standard 5の適用開始となり、スケールダウンの方向に向かっています。しかし、おとしどころが難しいよなあ、というのが現場の自分からの感想です。来年にはまた違うルールが出てくるんでしょうかねえ。。。
(関連エントリー)
S.E.C. Planning to Delay Accounting Rules for Small Companies
(参考メディア記事)
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